【知らないと危険】Adobeフォントは受託制作のサイトでWebフォントとして使えるの?注意点と対策まとめ

Webサイトのデザインにおいて、フォントはブランドの個性やユーザーの読みやすさを大きく左右する重要な要素です。特に、Adobeフォントは高品質なデザインが魅力ですが、顧客のWebサイトで利用する際にはライセンス面で注意が必要です。
本記事では、Adobeフォントを受託制作したWebサイトにWebフォントとして適用する場合のポイント、そして受託制作時の注意点や対策について、シンプルかつ分かりやすく解説します。
Adobeフォントとは?

Adobeフォント は、Adobe Creative Cloud(Adobe CC)のサブスクリプションサービスに含まれるフォントライブラリです。Adobe Fontsを利用すれば、デザイナーや開発者は豊富なフォントをWebサイトや印刷物、その他のデザインプロジェクトで使用できます。主な提供方法は以下の通りです。
- Webプロジェクトへの追加
Adobe Fontsは、Webサイト用に「Webプロジェクト」として設定することで、ブラウザ上にフォントを表示可能にします。 - Creative Cloud契約者専用
Adobe Fontsのライセンスは、契約しているCreative Cloudのユーザーに紐づいており、直接顧客へ譲渡することはできません。
Adobeフォントは顧客のWebサイトで使えるの?
結論としては、使えるが条件付き です。
▼ 以下、公式の回答
Web フォントを個人または企業の web サイトで使用することはできますか?
はい。Web サイトがブラウザー内で(デスクトップまたはモバイルデバイスで)表示される場合、 web フォントライセンスによって認められます。
また、web フォントライセンスに従い、Adobe が提供する埋め込みコードによってフォントを web サイトに追加しなければなりません。その仕組みについては、web サイトへのフォントの追加に関するチュートリアルで説明しています。
引用:Adobe Fontsユーザーガイド|フォントのライセンス
Web フォントを顧客の web サイトに使用することはできますか?
利用条件では、2019 年 12 月 31 日以降の再販は許可されていません。それ以降にフォントライセンスや web フォントホスティングが中断されないようにするには、クライアントの web サイトは、独自の Creative Cloud サブスクリプションから Adobe Fonts を読み込む必要があります。
引用:Adobe Fontsユーザーガイド|フォントのライセンス
Adobeフォントは、Adobe Creative Cloudの契約者が自身のWebプロジェクトに追加して利用する仕組みです。そのため、クライアントのWebサイトにWebフォントとして使用する場合は、以下のポイントに注意が必要です。
Adobeフォント利用の主なポイント
- Webプロジェクトへの設定が必要
- Adobe FontsをWebフォントとして使うには、対象のフォントをAdobe FontsのWebプロジェクトに追加し、適切なコードをサイトに埋め込む必要があります。
- Creative Cloud契約者限定
- Adobe Fontsは、契約者専用のサービスです。つまり、クライアント(サイトの所有者)がAdobe Creative Cloudを契約していなければ、Adobeフォントを正規に利用することはできません。
- 受託制作における注意点
- クライアントのWebサイトにWebフォントとして納品する際は、フォントのライセンス状況を事前に確認し、顧客自身が正規のCreative Cloud契約を持っているかどうかを必ずチェックしましょう。
AdobeフォントをWebフォントとして使用するには、制作会社のアカウントではNG!
クライアント側(サイト所有者)がAdobeCCを契約する必要があります。
次は、受託制作における注意点と対策について、もっと深くみていきましょう。
受託制作のWebサイトでのAdobeフォント利用の注意点と対策
顧客のWebサイトでAdobeフォントをWebフォントとして利用する場合、ライセンスの問題を回避するために以下の対策を検討しましょう。
⚠️ Adobe Fontsを使いたい場合の対策
✅ 顧客に「Adobe CC」を契約してもらう
顧客自身がAdobe Creative Cloudを契約すれば、Adobe Fontsを問題なくWebプロジェクトに追加できるようになります。どのプランでも良いので、実用性で選ぶのも、安さで選ぶのも自由です。
ただし、顧客側の費用負担が発生するため、事前にしっかりと相談することが重要です。
「実務ではそんなに活用しないかもしれないから、できれば単品で契約したいな」「費用を抑えたいな」という方向けに、「実用性重視」と「安さ重視」のそれぞれのおすすめプランについてもご紹介します。
👍 実用性で選ぶならこちらがおすすめ!
- フォトプラン(1TB)
- Acrobat Pro
- 年間プラン(一括払い)23,760円/年(税込)
- 年間プラン(月々払い) 1,980円/月(税込)
- 月々プラン(月々払い):3,380円/月(税込)
- クラウドストレージ:100GB
- 「Adobe Acrobat 2020 (永続版)」と「Adobe Acrobat Reader (2020) 」のサポートが2025年6月1日で終了するため、業務で今後も使用する場合はサブスクリプション版への移行をおすすめします。
- 公式サイト:Adobe Acrobat 2020のサポート終了について
- Adobe Express
- 年間プラン(一括払い):11,980円/年(税込)
- 月々プラン(月々払い):1,180円/月(税込)
- クラウドストレージ:100GB
- テンプレートや素材が揃っているので簡単にSNS用の画像や動画、チラシなどの作成が可能!無料版と違い、豊富なプレミアムテンプレートや素材を利用でき、毎月250の生成クレジットも使用できます。
- 公式サイト:Adobe Express
👍 安さで選ぶならこちら!
- InCopy
- 年間プラン(一括払い)6,780円/年(税込)
- 年間プラン(月々払い) 680円/月(税込)
- 月々プラン(月々払い):1,080円/月(税込)
- クラウドストレージ:100GB
- InDesign用のアプリです。
- 公式サイト:InCopy
- Acrobat AIアシスタント
- 年間プラン(一括払い)8,080円/年(税込)
- 年間プラン(月々払い) 680円/月(税込)
- 月々プラン(月々払い):980円/月(税込)
- クラウドストレージ:100GB
- 文書に質問するとAIが回答してくれるAcrobat用のサポートアプリです。
- 公式サイト:Acrobat AIアシスタント
※価格は2025年2月25日時点の個人向けプランの内容です。
▼ Adobe CCのプランはこちら
安くても年間7千円近くかかるので、負担に感じる方は少ないと思います。
さらに値上げが続いており今後も負担が増える可能性が高いため、すでにAdobe CCを契約している場合や他でも使う予定のある場合、こだわりのある場合以外は、あまりおすすめできないかもです。。
✅ Adobeフォントを画像化して使用する
見出しやロゴなど、デザインの一部にAdobeフォントの魅力を活かしたい場合、フォントを画像化して利用する方法もあります。しかし、画像化するとテキストのSEOやレスポンシブ対応に注意が必要なため、あくまで部分的な利用に留めるのが望ましいです。
Webサイトの本文に使用したい場合は、クライアントにAdobe CCを契約してもらうか、似た無料のWebフォントを使用することをおすすめします。
⚠️ 顧客がAdobe Fontsを使えない場合の対策
✅ Google Fontsを使う
Google Fontsは無料で商用利用が可能なWebフォントサービスです。ライセンスの制約が少なく、多くのサイトで広く利用されています。
✅ 商用ライセンスのあるフォントを購入
フォント販売サイト(Fonts.com、MyFonts、モリサワなど)で、商用ライセンス付きのフォントを購入してWebフォントとして利用する方法もあります。
✅ 代替フォントを設定する
どうしてもAdobeフォントのデザインを維持したい場合、似たデザインの無料フォントを探して代用するのも一つの手です。
よくある質問
まとめ
- Adobeフォントは、Adobe Creative Cloud契約者専用のサービスであり、顧客のWebサイトにWebフォントとして採用する場合は契約状況の確認が必須!
- 受託制作時には、顧客がCreative Cloudを契約しているか、もしくはGoogle Fontsや商用ライセンス付きフォントなどの代替手段を検討する必要あり!
- 部分的なデザインとしてAdobeフォントを画像化する方法もありますが、SEOやレスポンシブ対応には注意が必要!
受託制作では、フォントのライセンスと利用条件について顧客としっかりとコミュニケーションを取り、納品後のトラブルを未然に防ぐよう努めましょう!
▼ Adobe Fonts公式サイトはこちら

▼参考